転車台の製作(4)でガーダの両端下部に付いている車輪部を製作しましたが、今回はこの車輪が転がるための周回レールをベース盤に取り付けます。周回レールの正式な名称を色々調べましたが見からなかったので、以後も周回レールと呼ぶことにします。転車台を回転させるために、このレールを挟んで引っ張る尺取り虫型の牽引車がよく知られていますが、あのレールです。
この周回レールの高さは寸法精度が重要で、高さの誤差が大きいとガーダが回転中につかえてしまいます。そこで市販のフレキシブルレールを使いました。各社のHO(16番)用とNゲージ用が一般的に市販されていますが、Nゲージ用の方が高さが低く実際のスケール感でよいかなと思い、KATOのNゲージ用フレキシブルレールで設計を始めました。
レールの周回軌道がずれると車輪が脱線しますので枕木の取付方法が設計時のポイントとなります。そこで今回は画像1のように、ケント紙をレーザー加工機で枕木の形状に切り抜き、これを枕木取付け位置確認用のゲージ、兼装飾用としました。くりぬいたケント紙にグレーのスプレーで軽く塗装をしてから、ベース盤の鉄板上に貼り付けた後に枕木を貼り付けていき、最後にレールを挿入します。
切り抜いたケント紙の中心付近は両面テープで貼り付けて、枕木部はしっかりと固定する必要があるため、溶剤で薄めたボンドクリアを塗って貼り付けました。画像2は位置合わせのためにベース盤の上板と下板を重ねてねじ止めしています。中心のピンは位置合わせ用です。これにより上板内径とピンできっちりとケント紙の位置合わせができるはずです。
ケント紙を貼り付けて、ベース盤上板を外した状態が画像3です。次は枕木の準備です。KATO製フレキシブルレールの枕木をケント紙の枕木の型紙部分にきっちりとはまるように幅をそろえて切っていきます。設計上は枕木の幅が6.2mmとしていますので、加工時の誤差を考えて6mmを目標にしてカットします。型紙よりも幅が大きいとケント紙の上に乗っかってレールの高さが高くなりますので、必ず鉄板の上に枕木が張り付くように気をつけてカットします。
枕木のカットはカッターナイフを使い、上から押すような要領で行いましたが、結構手に負担がかかり、最終的に手の皮がむけてしまいましたので、この方法はおすすめできません。今後は超音波カッター等別の方法を考えたいと思います。画像4の透明アクリル板は枕木の幅にカットできるようにした当て板の治具です。
必要な個数を切った枕木が画像5です。画像5では枕木はつながっていますが、省力化のため、最初は4つくらいに切り離してから接着していく予定でしたが、枕木をつなぐ部分が結構硬く型紙に沿って貼っていくのにかえって手間となりますので、すべての枕木を画像6のようにばらばらにしてから、貼り付けることにしました。ちなみに画像5の状態でレッドブラウンのスプレーで塗装をしています。
ばらばらに切った枕木ですが、幅を6mmに切った部分と切っていない部分で鉄板に貼り付ける方向を揃えた方が精度がきっちりと出るかと思うので、予め切口をそろえておきました。位置のずれがあると最後にレールを挿入するときに入らない可能性があるためです。実際に貼り付けるときは枕木位置の中心側(内側)を基準にして、この基準側に切っていない部分を合わせて貼り付けました。