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安達16番C61-2の改造(7)マスクフィルム作成

2025年3月4日カテゴリー: 真鍮キット・モデル16番

真鍮板の両面にドライフィルムを貼れましたので使用するまで暗い場所に保管しておいて、つぎは露光用マスクフィルムの作成です。このドライフィルムはサンハヤトのポジ感光基板と違いネガタイプですので、紫外線が当たった部分がレジストとして残ることになります。ポジ感光基板の場合はプリント基板の回路パターンが必要な部分は黒で印刷して紫外線を遮断し、不必要な部分は透明のままにしますので、今回のドライフィルムはこの逆のパターンを作成する必要があります。

パターンはイラストレータを使用して原寸で作図しました。レジストを除去して、エッチングしたいところは黒インクで印刷し、エッチングしたくないところは印刷しません。両面からエッチングをした場合は貫通し、片面のみエッチングした場合はリベットのような凹凸の表現となります。

まずは、部品形状のイメージを把握しやすいために画像1左のようにポジで部品を設計、描画しました。イラストレータの表裏の画像をそれぞれ別のレイヤーに描画して重ねて表示しています。またエッチング時に部品が落ちてしまわないように部品には数か所に耳をつけています。

画像1右は余白部分をエッチングされないように黒で塗りつぶし、表裏の画像を並べたものです。露光の際にはフォトレジスト側にマスクフィルムの印刷面が来た方がレジストと黒インクが密着してうまく露光できるようなので、表側のパターンは表裏を反転しています。

 

画像1 イラストレータで作成したマスクフィルム用データ

 

画像1右を白黒反転したのが画像2です。トンボは反転すると見えなくなるので反転していません。部品は予備を含めて多めに作っています。はじめての試みですので失敗するかもしれませんが、出来栄えを見るためこれで先に進めていきました。

 

画像2 ポジで作成したマスクフィルム

 

画像2のデータを透明フィルムに印刷したのが、画像3です。画像3は表と裏のデータを印刷面が中に向くように重ねたものです。表裏のトンボ印を合わせてセロハンテープで2辺を固定しました。透明フィルムは今回はサンハヤトの感光基板アートワーク用のインクジェットフィルムを使用しました。後の試作ではOHPフィルムで試しましたが特に大きな問題はないようにも思えます。

このフィルムの間にドライフィルムを貼った真鍮板を挿入して露光します。

 

画像3 透明フィルムに印刷した露光用マスクフィルム