以前に画像1のような京都市電のマークを0.1mm?厚の洋白を使用してエッチングで作った経験があるので、今回はC61-2の交換(樹脂から真鍮への)用の部品で板金物について市販されていないものを真鍮板で製作することにしました。
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エッチングはプリント基板の銅箔パターンを作るのに利用されています。プリント基板の場合はサンハヤトから販売されているポジ感光基板(画像2)というのがありますのでこれを使うと割と簡単?に作業できます。ポジ感光基板は銅箔上に光に反応するフォトレジストが塗布されています。このレジストに紫外線を当てて、紫外線で露光したあとに現像液で現像すると紫外線が当たらなかった部分はレジストが残り、当たった部分はレジストが除去されます。露光用のフィルムはサンハヤトのインクジェットフィルム(あるいはOHPフィルム)にインクジェットプリンタで印刷することで作ることができます(画像3)。もちろん、パターンの設計はP板CADかあるいはイラストレータなどのイラスト作成ソフトが必要です。
この後、基板をサンハヤトのエッチング液(塩化第二鉄溶液)につけて、レジストがついていない銅箔部を溶かします。これでプリント基板の完成です。
エッチング液は複数回使用できますので使用後に容器に移し替えて保存し、次回の作業で使用します。ちなみにエッチング液の廃液は下水に流してはいけません。サンハヤトの説明書に廃棄方法が記述されていますので、これに従って廃棄します。
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私、最近はプリント基板の製作は業者に依頼することが多いですが、以前はちょっとした試作では自分で製作することもあり、ライトボックス一式・エッチング装置などが手元にありましたので、今回は利用することにします。これまでの経験を応用して真鍮エッチングにトライしてみようと思います、ここで重要なのが真鍮板にフォトレジストをどのようにして塗布するかということです。画像1のマーク製作のときには、液体のフォトレジストを購入して(結構高価です。確か7~8千円位?)塗布しました。このときのフォトレジストはこれ以降は使用する機会がなかったので、ほとんど瓶一本分が残っていました。もったいないので、使用期限はかなり過ぎていましたが試しに使ってみることにしました。
液体のレジストは塗布するのが難しいです。塗布方法はネットでいろいろ紹介されています。例えば回転する円盤(スピンコーター)に真鍮板を載せて遠心力でレジストを均等に塗るとか、ストローで撫でながら広げるとか・・・。いろいろ試しましたが、これというよい方法がなく、今回は簡易的なスピンコーターを作って、塗ることにしました。
塗ってはふき取りを繰り返し何度か試しましたが、結果的にはあまり出来栄えはよくなく、やはり難しかったです。レジストが真鍮板表面をはじいてしまい塗れたのかどうかが判断つかない状態です。レジストが使用できるのかどうかもわからないので、結果を早く知りたくて、とりあえずは塗り終えて、乾燥・露光・現像を行ったところ、案の定レジストがすべて流れてしまいました。やはり5年以上前のレジストでは厳しいですね。
そこでネットで調べると、いくつかのウェブサイトで、プリント基板用のドライフィルム(画像4)というのがあり、これを生基板に貼るという方法が紹介されていました。レジストはAMAZONで購入できるようで、価格は30cm幅で5m巻きで1500~2000円程度でお手軽な価格で売られていました。液体レジストと比べるとかなり安いので、早速購入してみました。光(ネットによるとLEDの光は少しくらいならよいようで、蛍光灯の光はNGだそうです。)を当てるとよくないので、画像4は撮影の時だけ明るくして行いました。通常は遮光された袋に入れて管理が必要かと思います。また今は冬なので気温が低いため部屋での管理ですが、夏場は冷暗所での保管が必要かもしれません。
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ネットでは、ドライフィルムの貼り方もいろいろ方法が提案されていたので、いろいろ試してみました。次回に投稿します。