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HO(16番)の転車台の製作(16) 主桁・やぐらの製作

2024年10月1日カテゴリー: オリジナル転車台

ガーダの骨組みはすでに作っているので、これにかぶせる主桁等を作りました。主桁は骨組みに差し込んで被せて、その後に線路をねじ止めして固定します。メンテナンスのことを考慮して、あとから比較的簡単に分解できるような構造にしました。

この製作記では、上路式、下路式、上路式(梅小路風)と3種類ですので、主桁は3種類です。上路式と下路式は以前にNゲージの転車台のときに設計したイラストレータの図面がありましたので、今回は16番用に拡大して流用し、さらに差し込み構造とするための改造を一工夫しました。上路式(梅小路風)は実際の梅小路の転車台を参考にして、上路式の図面を変更して作成しました。

 

ちなみに蒸気機関車EX(イカロス出版)によると転車台にも表1のように記号が付けられているようです。桁長は各機関区で様々あったようですが、一般的には18mと20mクラスが使われていたようです。

 

表1 転車台の記号
このブログでの呼び方 種類 記号
上路式 上路式20Mバランスト型転車台 でて20
下路式 下路式20Mバランスト型転車台 すて20
上路式(梅小路風) 上路式20M3点支持型転車台 でて20-1

 

さて、今回もケント紙をレーザーカットでカットしました。A3のケント紙をレーザーカットしたのが画像1です。3種類の転車台につきカット、組み立て、サイズ調整・改良を行い、それぞれ3~4回繰り返しましたので、完成までに結構時間がかかりました。また、転車台の参考資料が少なく各部位の詳細は想像で設計しましたのでなおさら時間がかかりました。

 

各部の接着は木工用ボンドを使用しました。結構短時間で接着しますので貼り合わせるときには正確に位置決めして貼り付ける必要があり、位置がずれてしまって補正しようとしてもケント紙が破れることがありますので要注意です。しかしながら早く接着できるので次の作業に移行しやすく、早く組み立てができるメリットがあります。また、接着剤がはみ出したときは、塗装したときに目立つので、はみだし量が多いときはすぐにふき取る必要があります。

 

やぐら等の細く、折り曲げた部位は補強のため木工用ボンドを塗布して強度を上げています。

 

画像1 レーザーカットした上路式梅小路風(試作段階)

 

 

完成した姿が画像2です。組み立てに集中していたので、製作過程の画像がありません。一部ケント紙以外の材料を使用していて、それぞれのやぐら上部中央のスリップリングは樹脂の丸棒を使いました。また、上路式(梅小路風)の手すりは真鍮の1mmと0.5mmの丸棒を使用しました。

 

画像2 塗装前の転車台
上路式 下路式 上路式(梅小路風)

 

 

そして塗装とウェザリングを施したのが画像3です。操縦室の窓は塗装後に透明の板を裏から接着しています(画像4)。この後に室内照明用のLEDを取り付けるのでまだ転車台本体に接着していません。画像にすると拡大されて操縦室の板のつなぎ目が目立ちますが、パテで埋めるともう少し目立たなくなるのではと思いますが、今回は省略しています。

 

画像3 塗装後の転車台
上路式 下路式 上路式(梅小路風)

 

画像4 操縦室(左が梅小路風の操縦室)

 

 

ガーダの骨組みに主桁を被せて、ピットに載せてみました(画像5左)。線路は載せていません。梅小路の実際の転車台の画像も並べてみました(画像5右)。画像同志を比較するとやぐらが太目でちょっとおもちゃっぽいですね。しかしながら、あまり細くし過ぎると強度が弱くなるので、むずかしいところです。やぐらだけ真鍮のエッチングで作るのもありかもしれません。手間とコストがかかりますが。

 

追伸

梅小路の転車台の手すり等はきれいにメンテナンスされていて、模型でウェザリングしすぎると機関車館の方々に失礼かと思い、控えめにウェザリングをしました。

 

画像5 転車台ピットに仮置きをしてみました(左)。実際の梅小路転車台の画像(右)