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ワンチップマイコンについて。ITへの扉(入門編) No.16

2020年12月1日カテゴリー: ITへの扉

近年、様々な家電製品やおもちゃに至るまで、あらゆる分野でコンピュータが使用されています。一般的にコンピュータというと、パソコン(パーソナルコンピュータ)が思い浮かびますが、ここでいうコンピュータは、ワンチップマイコン(マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ)と言われるコンピュータで、我々の身の回りで大いに活躍しています。
文字通りワンチップ(一つの素子の中に様々な周辺機器が組み込まれている)の小さなコンピュータです。
写真8は、私がたまに使用するマイクロチップ・テクノロジー社のPICというワンチップマイコンです。2個並んでいますが、両者は同じ機能のマイコンで、パッケージの違いになります。左側はプリント基板の穴に足を差し込んではんだ付けするタイプで、右側はプリント基板の表面にはんだ付けする(表面実装)タイプです。製品に搭載する場合には、小型化のために右側の表面実装タイプが多く使用され、左側のタイプは手ではんだ付けする場合には取り扱いし易いので、製品試作段階でよく使用されます。

写真8 PIC18F2520
左SPDIPタイプ、右SOICタイプ

マイコン内部は図4のように、CPU(中央演算処理装置)やメモリ(記憶装置)、タイマ、A/D変換(第136号参照)、シリアル通信(第137号参照)等の機能が実装されています。写真8は28ピンタイプですが、この他、8ピン、18ピン、40ピン、48ピン等があり、製品型番により様々な周辺機器の組み合わせから選択できます。従来のリレーやタイマーでのシーケンス制御に比べ、ワンチップでプログラムによりコントロールできるので、機器が小型化でき、さらに非常にコストパフォーマンスが向上します。

図4 ワンチップマイコンの構成例