最近世間では「デジタル」という用語をよく耳にします。IT(Information Technology、情報技術)に欠かせないのが「デジタル」の技術だと思います。
アナログとデジタルの違いですが、図3(a)のように連続して変化するのがアナログで、飛び飛びの値を持つことをデジタルと呼びます。図3を参考にすると、アナログの値を図3(b)のように0と1に変換したものがデジタルになります。世の中のデジタルはコンピュータで処理するため、コンピュータと相性のよい二進数が使われます。
二進数は0と1のみで表現しますので、「白か黒か」「○か×か」というように値に曖昧さがなく、誤判定を極力減らすことができ、信号の伝達や記録に威力を発揮します。
ちなみに現在、コンピュータといえばデジタルを思い浮かべますが、50年以上も前にはアナログコンピュータというのがあり、電子部品を使用してアナログ信号を扱う計算機が存在したようですが、いまでは技術遺産となりました。
ところで、現在普及している(デジタル)コンピュータでアナログ信号を扱う場合には、アナログ信号をデジタルに変換する必要があります。この役割を担うのが図3のA/D変換(アナログ-デジタル変換)です。
A/D変換は、一定の周期(サンプリング周期)毎にアナログ信号を採取(サンプリング)し、その値を二進数に変換します。図3(a)で↑がサンプリング(標本化)のタイミングです。例えば、時間0のときのアナログ値8.2をA/D変換により二進数の01000というデジタル値に変換します。この値は10進数で8という値になり、A/D変換前の8.2に対して誤差(量子化誤差)が生じます。
このようにデジタルに変換された信号は図3(b)の棒グラフのように縦軸、横軸ともに非連続(飛び飛び)の離散値となります。
A/D変換後にデジタル値を伝達(通信)するときには、予め決められた手順に従い、簡単に言えば000101011000001…というようにデジタル値を直列(シリアル)に並べて伝送(シリアル通信)します。
図3 A/D変換の概念図 |