前回までの投稿で下路式と上路式(梅小路風)のピットの側面壁等を作りました。今回は3つ目のタイプの上路式(一般)のピットを作ります。上路式は一般的にはピットの底が傾斜になっていますので、これをペーパークラフトで表現しようとすると一工夫が必要です。これまでの工作で以前に投稿したように、画像1まで作っています。
ピットは画像1の周回レールが取り付けてあるピット中板の内径からピット下部板の中心円まで傾斜し、そこから中心駆動軸までは平面となります。したがって円錐台を逆さまにした形状を作ってはめ込めばよいことになります。円錐台をペーパークラフトで作る場合に、展開図のサイズを計算で求めるにはどうするのか?しばらく考えてみましたが、すぐにひらめかず、安易ではありますがネットで検索すると、ありがたいことに、円錐台の各部サイズを入力すると展開図サイズが計算されるサイトを掲載していただいてましたので、それを使わせていただきました。
あとは、ピットを下から支えるものが必要で、これにはケント紙を組み合わせた構造物にすることにしました。構造物部品のサイズを決めてレーザーカッターでケント紙と厚紙を加工したのが画像2です。左下が構造物の底で厚紙で作りました。それ以外はこれまでと同じケント紙で作りました。
画像2の部品を組み立てたのが画像3です。それぞれの部品は差し込み式にしているので位置合わせは簡単にできます。接着は木工用ボンドを使いました。中心部分には直径50mmのケント紙で作った円盤を接着します。
画像3の構造物の上に接着する円錐台は画像4です。画像4は湿気を含んで伸びないように、以前の教訓を活かしてサーフェイサーで裏表共にスプレーしています。切れ目の白い部分はのりしろです。貼り付ける部分は、目立たないように(どこまで効果があるか不明)両方をやすりで傾斜をつけて削っています。
これで傾斜ピットを作るための部品が画像5のように揃いました。すべてサーフェイサーをスプレーしています。
画像5左のピット構造物と中央上の円盤をピット仕掛品(画像1)に貼り付けます。位置合わせ用に直径12mmのシャフトを使用しています。接着剤は溶剤で希釈したボンドクリヤーを使いました。ピット構造物はしっかりと貼り付けるため鉄板とピット構造物両方に接着剤を塗布しました。場合によっては上から均等に押さえておくほうが良いかもしれません。しっかりと接着するように1日ほど置きます。
この構造物の上にピット傾斜部を貼り付けます。できるだけ周回レール側と中心部の円盤の両方に隙間なくピッタリと貼るのが理想です。しかしながら加工物には若干の誤差があるため、どちらかというと周回レール側を隙間なく張り合わせたほうが出来上がりが体裁よくなります。画像7では貼り合わせ部の隙間が目立ちますが、実物ではもう少し目立たない感じです。接着剤は溶剤で希釈したボンドクリヤーを使いました。確実に接着するように、ピット構造物とピット傾斜部の両方に接着剤を塗布しました。のりしろ部分は木工用ボンドを使用しました。また、貼り付けた後、確実に接着するまでピット上部から押さえておく必要があります。ただし、力を入れ過ぎるとピット構造物の跡がピット傾斜部の表面に浮き出てきますので要注意です。
この後、1日ほど経ってピット傾斜部が確実に接着するのを確かめてから、以前の投稿と同じようにして、ピット側面壁を貼り付けました。接着剤は溶剤で希釈したボンドクリヤーを使いました。
傾斜の雰囲気を分かりやすくするためにガーダーを載せて撮影しました。
各部のつなぎ目部分はタミヤパテ(ベーシックタイプ)で補修して、塗装、ウェザリングをすればほとんど気にならなくなりました。