鉄道模型製作所のロゴ

シリコンウェハーから作る半導体。ITへの扉(入門編) No.32

2022年7月1日カテゴリー: ITへの扉

以前の記事で、半導体、IC、LSIという用語が出てきましたので、今回はこれらの用語について、整理をしたいと思います。
〇半導体(第142号参照)
半導体は、銅、鉄、アルミ等の電気を通す「導体」とゴム、ガラス等の電気を通さない「絶縁体」の中間の性質を持つ物質で、シリコンが有名です。
半導体の単結晶インゴットを輪切りにしたものがウェーハというものです。現在では直径300mmのウェーハも使われているようです。このウェーハ上に、成膜、パターン転写、エッチング、イオン(不純物)注入等の工程を行い電子回路を作ります。これをダイシングで1個づつ切り出したのが半導体チップです。(図4参照)

図4 ICができるまで

ちなみにネットによると、2022年シリコンウェーハのシェアは1位、2位が日本の信越化学とSUMCOで、全体の60%弱を占めるそうです。日本の半導体シェアが低下しているなか、半導体材料の供給で日本がトップクラスであることを嬉しく思いました。
〇IC:集積回路(Integrated Circuit)
複数のトランジスタ、抵抗、コンデンサ等で構成する電子回路のことです。図4の工程で作られたICをモノリシックIC(monolithic IC)、個別の部品をプリント基板上に配置して電子回路を構成したものをハイブリッドIC(hybrid IC)と言います。
〇LSI:大規模集積回路(Large Scale Integration)
もともと、素子の数が1000個~10万個程度のICという意味だそうですが、最近では集積度は意識せず、規模の大きいICという意味で使われています。