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ICを使用してAND回路を検証する。ITへの扉(入門編) No.29

2022年4月1日カテゴリー: ITへの扉

これまでの記事で論理回路の動作を紹介してきましたが、今回はAND回路を内蔵したロジックIC(SN74HC08Nテキサス・インスツルメンツ社)が、真理値表(表2)の通りに動作しているのかどうかを実験により検証してみました。

表2 AND回路 真理値表
状態 入力 出力
A B OUT
1 0 0 0
2 0 1 0
3 1 0 0
4 1 1 1

回路図は図2の通りです。今回はICに内蔵されている4個のAND回路のうちの1つを使用します。4番ピンが入力A、5番ピンが入力B、6番ピンが出力OUTです。OUT=1でLEDが点灯し、OUT=0で消灯します。

図2 ロジックICの実験回路※1※2 写真12 ロジックICの実験装置

電源は単3乾電池(1.5V)2本を直列に接続した3Vとするので、真理値表の1が+3V(Ⓗ)で、0が0V(Ⓛ)となります。従って、入力A,Bの「1」,「0」は図2の④と⑤をⒽかⓁのいずれかに接続してセットします。
さて、図2の回路図で回路を組むのですが、最近は半田付けをしなくても、穴にジャンパー線を差し込んで配線ができる、様々なブレッドボードが市販されており、今回はこれを使って写真12のように回路を組みました。
ブレッドボードの一番下側のラインが+3V(Hレベル)で、その上のラインが0V(Lレベル)です。前述のように、表2に従って、4番ピンと5番ピンをジャンパー線によって、+3Vラインか0Vラインのいずれかに接続し入力をセットします。
実験結果を写真13~16に示します。写真16の2本のジャンパー線が共に3Vライン(Hレベル)に接続されたときだけ、出力がOUT=1(LED点灯)となっており、図2の回路が、表2の真理値表通りに動作していることが確認できました。

写真13 状態1 A=0,B=0,OUT=0 写真14 状態2 A=0,B=1,OUT=0
写真15 状態3 A=1,B=0,OUT=0 写真16 状態4 A=1,B=1,OUT=1

※1 使用しないAND回路の入力はHかLに接続する必要があります。
※2 回路構成にもよりますが、AND回路の出力電流は10~20mA程度が限界ですので、これ以上流す場合は、トランジスタ等でLEDを駆動する必要があります。詳細はメーカーの仕様書を参照願います。