14.転車台の受電ゲート製作

転車台の受電ゲートが作れてなくて、気になっていましたので今回製作することにしました。

問題なのが材料に何を使うかです。素人が使えるのは、紙、金属、プラ板等考えられますが、強度面から考えるとやはり金属板かなと思いました。さて金属板の加工方法ですが、レーザー、エッチング、やすり等作業工具あるいはNCでの切削などがありますが、レーザーは業者に依頼する必要があるし、板厚が0.2mm程度だとペラペラすぎて切削は厳しいのではと思い、エッチングで行うことにしました。

 材料は手持ちの0.2mm洋白板、0.3mm真鍮板を試しました。エッチングのマスク方法は以前試したことがある、インターネットで紹介されている「F式」で行いました。「F式」はレーザープリンターでエッチングのマスク部をインクジェット用紙に印刷し、トナーの部分を熱と圧力を加えて金属板に転写する方式です。(考案された方には感謝いたします)

まず、パソコンでイラストレーターを使いマスク用の受電ゲートのお絵かきを行いました。エッチングは両面から行いますので、マスクも両面必要になります。抜き取るところは両面共白でマスクなし、溝をつけるところは片面のみ白、もう一方の面は黒(トナー有)です。

今回はアングルの折り曲げ部の谷の部分に溝をつけました。

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これを印刷面を内側にし2つ折にして、裏表の位置関係をぴったりと合わせて、中に金属板を挟みます。

そして、それをコピー用紙で挟んでから、ラミネータ(温度設定は最強)に20回くらい連続で通してやります。今回は念のため最後にアイロンで押さえてやりました。

これでトナーが金属板に転写されているはずです。あとはこれを水に浸して紙がふやけるのを待ち指でこすると紙がはがれていき、トナーが残るはずです。べた面が大きいところは油性ペンを塗って修正します。

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そしてこれを塩化第二鉄で2エッチングします。20分程度で完成です。できたのが下の写真です。べた面はトナーのマスクにエッチング液がしみこんでしまうのか、あばたになってしまいました。しかしながら、形状はきっちりとできていて、後で塗装しますので、これでOKとしました。

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これをアングル部をL字に折り曲げた後、ステップ?と受電部(旋盤で真鍮から切削)を半田付けして、形を整えたのが下の写真です。アングル部をL字に折り曲げ、半田を流したので、ぺらぺらではなくなりました。ただ折り曲げの作業は結構大変でした。

ちなみに0.3mm真鍮板では折り曲げがうまくいかず断念しました。最終的に0.2mm洋白板のものを採用しました。

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これを転車台に取り付けると結構見栄えがしたので、C62を乗せて記念撮影をしました。

 

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13.配線の整理

 今日は電気関係の配線の整理を行いました。今まで試運転のため配線が宙ぶらりんでしたので、ジオラマを製作するにあたりまず裏側を完成させました。

ベース裏側の配線は主に線路への給電用とポイント用です。今回はDCCで、線路間のギャップは入れておりませんので、給電の数は本来少なくなるはずですが、線路つなぎ目の接触不良を懸念して、要所要所に給電するようにしました。

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下の写真はコントロールボックスの裏側です。左半分がDCCコントローラー(両側)とDCCパワー部(中央)で右半分がポイント切り替え回路(上)と転車台制御回路(下)です。

 
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下の写真は転車台の裏側です。丸いのが転車台、その左が転車台駆動部です。上にある小さな基板はデジトラックス製のリバース区間用の極性切り替え器AR1です。

7月19日に掲載した動画の音声をよく聞くと、機関車が転車台と周囲線路をまたぐときに「カチッ」と小さな音が聞こえますが、これはAR1が動作したときのリレーの音です。

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基板がむき出しの部分は、何かがあたると壊してしまいそうですので、蓋をした方がよさそうですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

12.複線機関庫の製作

 複線機関庫もトミ―製を使用しました。完成品ですので塗装のみです。下の写真は塗装前の姿です。

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まずは全体をスレート風の白っぽい灰色に塗りました。

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そしてウェザリングを施しました。スレートの溝1本づつに墨入れするのは大変なので、溶剤でかなり薄めた艶消し黒を刷毛塗りし、その後乾く前にすぐにふき取る作業を行いました。

排気ダクトも溶剤でかなり薄めた黒、茶色で刷毛塗りして汚れ、さびを表現しました。雨どいは若干ブルーを混ぜた灰色を塗っています。(写真ではほとんど見分けがつきませんが)

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最後に大きめの写真を公開します。

 

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11.扇形庫の製作3

いよいよ塗装です。
最初にサーフェイサーを軽く吹きつけてから、屋根は艶消しの薄い灰色、壁は半光沢の若干灰色を混ぜた白色、床は屋根よりも黒っぽい灰色で塗装しました。
 この後のウェザリングのためにエアブラシを購入したので、それを使いました。

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そしてウェザリングを行います。

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10.扇形庫の製作2

扇形庫の屋根の連結部も隙間があきましたので、プラ板で若干の修正を行いました。後々のメンテナンスを考慮して、屋根は取り外しできるようにしました。(もともとは裏からねじ止めするようになっていました)

2つの屋根はつなぎ目部分を接着しませんでした。

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そして2つの屋根を被せた様子が下の写真です。

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前回パテで埋めたところをペーパーで平らにします。

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さらに樹脂成型時の壁表面にあるくぼみ等もついでにパテで修正しました。

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 あまり凝り始めると、きりがないので、そこそこで妥協しました。後は塗装とウェザリングです。現在配色をどうするか迷っています。実物を見られる梅小路の配色(壁が白っぽい色、屋根の写真が手元にないため不明ですが、想像するとコンクリートの灰色か?)が妥当かなと思っています。

最後に拡大写真をのせておきました。

 

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9.扇形庫の製作

 今回は下の写真のように、トミー製の扇形機関庫を2個連結して使用しました。

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 しかしながら、2個連結すると、つなぎめ部分に壁ができてしまい不自然なのと、つなぎめにかなり大きなすきまがあったので、改造することにしました。
 下の写真は屋根を取り去ったところです。

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右側の壁を削り取り、さらに各部の強度をあげるためにつけられている(と思われる)羽状の部分を削り取ります。(強度的には問題ないと思いましたので)

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1mmプラ板で床を作り貼り付けます。中央は連結部です。プラ板で両方の扇形機関庫をつないでいますので連結部の強度は強くなっています。
 壁の連結部は1mm程度の隙間がありましたので、ここもプラ板で隙間を埋めました。

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すきまをタミヤパテで埋めました。すきまが結構大きいので1回では埋めきれず、2回行いました。

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8.動画を掲載します。

 とりあえず運転できるようになりましたので動画を掲載します。DCC仕様の蒸気機関車がまだないので、電気機関車で運転しました。

7.コントロールボックスの製作

 前回、デジトラックス社製のリバース区間用AR1を転車台の給電用に使用したとき、パワー制御基板の過電流停止機能によりDCCが出力停止してしまいました。

 もともとAR1は短絡電流を検出して、DCC出力の極性を反転していますので、従来の瞬時過電流検出回路では、AR1が極性切り替えをする前に、パワー制御基板が過電流停止してしまいます。

 そのため何らかの方法で過電流検出停止の電流値1よりも低い電流値2を検出して電流を制限する機能が必要となります。

 そこで、電流値2を検出すると、DCC出力波形をチョッピングして、電流値を制限する方法を試しましたが、うまく電流制限できませんでした。

 メーカー製のコントローラーを調査した結果、電流値によりMOS-FETのゲート電圧をコントロールしていることがわかりました。

 これを参考に今回作った基板は下の写真の中央の基板です。

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上側に3本足で4個並んでいるのがMOS-FET、その右にある小さな部品が集まった部分が電流値2を検出し、MOS-FETのゲート電圧を低下させる回路です。

 中央の四角い部品が3個並んでいますが、左2個がMOS-FETのドライブ用IC、右が電流値検出用のコンパレータ―です。今回の基板は電流値1と電流値2の検出を行っていますが、電流値2で電流制限を行っていますので、通常は電流値1(過電流停止)で停止することはありませんが念のため電流値1検出回路も装備しています。

 下の長方形の部品2個は信号処理をするロジックICです。基板上部の芋虫状の白い部品は電流検出用の抵抗です。

 この方法の短所として、MOS-FETがリニア領域で動作するため、発熱が激しく、即座に過電流を解除するか、DCC出力を停止しないとMOS-FETが破壊してしまうことです。

 幸い、AR1は数ms-20ms程度で極性を切り替えてくれるようなので、MOS-FETが破壊することはなさそうです。また線路の短絡時には0.1秒程度で強制的にDCC出力を停止してやれば問題ないようです。

6.コントロールボックスの製作

 今回はコントロールボックスの製作を行いました。

 完成後の姿は下の写真のようなものです。ボックスの左半分はポイントの切り替え用トグルスイッチと転車台の方向指示用のロータリーエンコーダーを装備しています。右半分は車両(12台分)の速度指令用ボリュームと運転停止及び方向転換用のトグルスイッチ、ライト点灯用の押しボタンスイッチを装備しています。

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 コントロールボックスの裏側はこんな感じです。

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 左半分(下の写真)は車両制御用のDCC用基板です。4枚装備しており、基板1枚毎に車両3台分を割り当てていますので合計12台コントロール可能(の予定)です。基板は1枚をマスター基板とし、他の3枚はスレーブ基板としています。マスター基板はパワー制御基板(写真ではとりはずしています)にDCCの信号を送ります。各基板は以前紹介したターンテーブル制御基板と同様にCANで通信しています。これにより、各基板を離れた場所に設置しても車両を制御可能にしています。

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 右半分上部(下の写真)はポイント制御用の基板で1つのポイントにつき1枚の基板で対応していますので、合計10枚装備しています。基板はトグルスイッチからの方向指示切り替えに従い、ポイント(2線式)にパルス電流を流しています。信号処理はロジックICで行い、出力段はトランジスタで構成しています。

 部品はディスクリート部品で構成していますので、かなり大きくなりましたが、とりあえず以前作った基板がありましたのでこれを流用しました。今後作るとしたら、面実装の部品で、さらに8ピンPICマイコン等を使用したいと思います、さらに小型化できると思います。DCCのポイント用デコーダを使用することも考えられます。

 右半分下部は転車台コントロール用のマスター基板です。DCC用基板を流用しています。

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 転車台線路へのパワー供給ですが、デジトラックス社製のリバース区間用AR1を使用予定だったのですが、パワー制御基板の過電流検出に引っ掛かり過電流停止してうまく機能しなかったので、この部分の仕様を現在検討中です。

 最後にコントロールボックスの拡大写真を掲載します。表面パネルはアクリル2枚(下側は白、上側は透明)でパソコンで描いた絵を挟んでいます。

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5.転車台のベースへの取り付け

 転車台をベース盤にとりつけ、周囲に線路を固定しました。周囲の線路が動かないようにプラ板を線路間にはめて接着剤で固定しました。転車台の回転位置はソフトの設定で変更できるようにしていますが、できるだけ15度間隔で均等になるように努力しました。

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 転車台周辺の線路が固定できましたので、全体の線路も固定することにしました。下の写真のような感じです。ベースは1500mm×900mmです。

 ストラクチャーも乗せてみました。線路はトミー製を使用しましたので、扇形庫、機関庫等は線路に合うようにトミー製としました。

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