前回のAND回路に続き今回はOR回路について説明します。ロジックICのシリーズでOR回路を持つものに74HC32(図1)という型式のICがあります。これは2入力のOR回路(図2)が4個入ったICです。
図1 汎用ロジックIC 74HC32(CMOS) |
図2 OR回路 |
OR回路は入力A、Bそれぞれの値(0か1)に対して、出力OUTが表2のような値をとる回路です。すなわち、入力A及び入力Bのどちらか一方でも1のときに出力OUTが1となります。
入力 | 出力 | |
A | B | OUT |
0 | 0 | 0 |
0 | 1 | 1 |
1 | 0 | 1 |
1 | 1 | 1 |
OR回路を今回も図3のようにスイッチA、Bと電球で考えてみます。スイッチA、Bが両方共オフ(a)のときには電球は点灯しません(OUT=0)が、少なくとも片方のスイッチがオン(b)(c)(d)すると電球は点灯(OUT=1)します。
図3 OR回路の考え方 |
数学の世界ではAND回路を論理積、OR回路を論理和とも言い、下記のように記述します。
・論理積:OUT=A・B
・論理和:OUT=A+B
またプログラミングの世界では例えばC言語の場合では
・論理積:OUT=A&B
・論理和:OUT=A|B …①
のように記述します。
図2のOR回路をマイコンで実現するためには、マイコン内部に式①のようなプログラムを書き込み、ポートを介して入出力を行います(図4※2)。
マイコンが登場してからは、ロジックICの回路はマイコンのソフトウェアに置き換わり、複雑な処理が低コストで実現し、機器の小型化も可能になりました。従って、近年はあらゆる家電製品や玩具にマイコンが搭載されています。
図4 マイコンの入出力イメージ図(※1) |
※1 マイコンの種類(メーカー、型式、ピン数等)は数多くありますので、メーカーのスペックを見ながら、最適なものを設計者が選定します。
※2 非常に大雑把な表現で、実際にはもう少し手を加える必要があります。