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展示会用の転車台製作(Nゲージ)その4

2022年11月30日カテゴリー: オリジナル転車台

今回の展示会で出品した作品はジオラマがメインでなく、制御基板の紹介がメインとなっています。10年ほど前に製作したDCCの制御基板からスタートして、転車台の制御回路、ポイント切替え回路、DCCのオートリバース回路等、結構色々な制御関係の基板に挑戦してきました。

写真下がDCCの制御基板です。左がパワー制御回路、真ん中がDCC制御回路(マスター)、右がDCC制御回路(スレーブ)となっています。2つのDCC制御回路はそれぞれ、ボリューム・トグルスイッチ・プッシュスイッチが1セットで、機関車3セット分実装しています。ボリュームが速度コントロール用、トグルスイッチが運転(方向)・停止指令用、プッシュスイッチが点灯・消灯指令です。DCC制御回路はマイコンのポート数の制限で3セットとしていますので、スレーブの基板を増やして制御できる機関車の数に対応させています。下のジオラマではマスター1つとスレーブ1つで、合計6台の機関車を制御できます。マスターとスレーブは通信でデータのやり取りをしています。

パワー制御回路はDCC制御回路からのDCC波形信号を受けて、+-16V(今回は)の方形波を生成し、線路に送っています。さらに過電流の検出回路を持ち、瞬時の過電流のときにはMOSFETのゲート電圧を絞り、出力電圧を下げることで、一気に過電流停止することを避けています。但し、この状態が一定時間続くと、過電流停止するようにしています。

写真の右側が転車台1制御回路(40分割、9度)で、左側はオートリバース回路です。転車台の制御はトグルスイッチで右回転・左回転を操作し、スイッチを左右どちらかに倒している間は転車台が回転し続けます。この基板からはステッピングモータの駆動パルス12Vを出力しています。転車台制御回路は起動停止のスイッチ以外にシリアル通信に切り替えることもできるため、リモコンやパソコン、スマホからの指令にも対応可能です。

オートリバース回路はDCCで制御するときに利用できる回路です。機関車が、リバース区間や転車台の線路をまたいだ時に、電源の極性が反転している場合にはショートします。DCCの制御ではオートリバース回路でショートを検出して、瞬時に極性を切り替えるため、機関車はそのまま通過することができます。転車台の線路にオートリバース回路を通して電源を供給すると、転車台線路の極性を考えることなく、機関車の運転に集中することができますので、大変便利です。写真のオートリバース回路は2年ほど前に試作してあったのですが、検出電流値が小さめで、通常の機関車の運転時にもショートとして判断されてしまい、とりあえずKATOのAR1を使用していましたが、最近AR1の入手性がよくないため、以前作った基板の電流検出値を見直して、今回採用となりました。

写真は右から転車台2制御回路(24分割、15度)、オートリバース回路、12Vのコネクタ群、ポイント切替回路です。この転車台2制御回路は右側の転車台用で24分割の仕様です。ハードウェアは転車台1制御回路と同じですが、ソフトウェアを書き換えて対応しています。

ポイント切替回路は1つの基板で3つのポイントの切り替えが可能です。トグルスイッチはON-OFFタイプを使用して、スイッチをどちらかに倒すと、そのタイミングで一定期間のパルスを出力します。パルスの極性切替はMOSFETで行っています。