9.扇形庫の製作

 今回は下の写真のように、トミー製の扇形機関庫を2個連結して使用しました。

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 しかしながら、2個連結すると、つなぎめ部分に壁ができてしまい不自然なのと、つなぎめにかなり大きなすきまがあったので、改造することにしました。
 下の写真は屋根を取り去ったところです。

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右側の壁を削り取り、さらに各部の強度をあげるためにつけられている(と思われる)羽状の部分を削り取ります。(強度的には問題ないと思いましたので)

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1mmプラ板で床を作り貼り付けます。中央は連結部です。プラ板で両方の扇形機関庫をつないでいますので連結部の強度は強くなっています。
 壁の連結部は1mm程度の隙間がありましたので、ここもプラ板で隙間を埋めました。

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すきまをタミヤパテで埋めました。すきまが結構大きいので1回では埋めきれず、2回行いました。

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8.動画を掲載します。

 とりあえず運転できるようになりましたので動画を掲載します。DCC仕様の蒸気機関車がまだないので、電気機関車で運転しました。

7.コントロールボックスの製作

 前回、デジトラックス社製のリバース区間用AR1を転車台の給電用に使用したとき、パワー制御基板の過電流停止機能によりDCCが出力停止してしまいました。

 もともとAR1は短絡電流を検出して、DCC出力の極性を反転していますので、従来の瞬時過電流検出回路では、AR1が極性切り替えをする前に、パワー制御基板が過電流停止してしまいます。

 そのため何らかの方法で過電流検出停止の電流値1よりも低い電流値2を検出して電流を制限する機能が必要となります。

 そこで、電流値2を検出すると、DCC出力波形をチョッピングして、電流値を制限する方法を試しましたが、うまく電流制限できませんでした。

 メーカー製のコントローラーを調査した結果、電流値によりMOS-FETのゲート電圧をコントロールしていることがわかりました。

 これを参考に今回作った基板は下の写真の中央の基板です。

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上側に3本足で4個並んでいるのがMOS-FET、その右にある小さな部品が集まった部分が電流値2を検出し、MOS-FETのゲート電圧を低下させる回路です。

 中央の四角い部品が3個並んでいますが、左2個がMOS-FETのドライブ用IC、右が電流値検出用のコンパレータ―です。今回の基板は電流値1と電流値2の検出を行っていますが、電流値2で電流制限を行っていますので、通常は電流値1(過電流停止)で停止することはありませんが念のため電流値1検出回路も装備しています。

 下の長方形の部品2個は信号処理をするロジックICです。基板上部の芋虫状の白い部品は電流検出用の抵抗です。

 この方法の短所として、MOS-FETがリニア領域で動作するため、発熱が激しく、即座に過電流を解除するか、DCC出力を停止しないとMOS-FETが破壊してしまうことです。

 幸い、AR1は数ms-20ms程度で極性を切り替えてくれるようなので、MOS-FETが破壊することはなさそうです。また線路の短絡時には0.1秒程度で強制的にDCC出力を停止してやれば問題ないようです。

6.コントロールボックスの製作

 今回はコントロールボックスの製作を行いました。

 完成後の姿は下の写真のようなものです。ボックスの左半分はポイントの切り替え用トグルスイッチと転車台の方向指示用のロータリーエンコーダーを装備しています。右半分は車両(12台分)の速度指令用ボリュームと運転停止及び方向転換用のトグルスイッチ、ライト点灯用の押しボタンスイッチを装備しています。

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 コントロールボックスの裏側はこんな感じです。

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 左半分(下の写真)は車両制御用のDCC用基板です。4枚装備しており、基板1枚毎に車両3台分を割り当てていますので合計12台コントロール可能(の予定)です。基板は1枚をマスター基板とし、他の3枚はスレーブ基板としています。マスター基板はパワー制御基板(写真ではとりはずしています)にDCCの信号を送ります。各基板は以前紹介したターンテーブル制御基板と同様にCANで通信しています。これにより、各基板を離れた場所に設置しても車両を制御可能にしています。

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 右半分上部(下の写真)はポイント制御用の基板で1つのポイントにつき1枚の基板で対応していますので、合計10枚装備しています。基板はトグルスイッチからの方向指示切り替えに従い、ポイント(2線式)にパルス電流を流しています。信号処理はロジックICで行い、出力段はトランジスタで構成しています。

 部品はディスクリート部品で構成していますので、かなり大きくなりましたが、とりあえず以前作った基板がありましたのでこれを流用しました。今後作るとしたら、面実装の部品で、さらに8ピンPICマイコン等を使用したいと思います、さらに小型化できると思います。DCCのポイント用デコーダを使用することも考えられます。

 右半分下部は転車台コントロール用のマスター基板です。DCC用基板を流用しています。

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 転車台線路へのパワー供給ですが、デジトラックス社製のリバース区間用AR1を使用予定だったのですが、パワー制御基板の過電流検出に引っ掛かり過電流停止してうまく機能しなかったので、この部分の仕様を現在検討中です。

 最後にコントロールボックスの拡大写真を掲載します。表面パネルはアクリル2枚(下側は白、上側は透明)でパソコンで描いた絵を挟んでいます。

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