炭水車3号機製作編(2010年9月):完成へ(前編)

第6章の6
前回までで水タンクとアルコールタンクの組立てが一通り終わりました。今回は既に作ってあったサンプと給水ポンプの製作過程の紹介と炭水車完成までの過程を紹介します。

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まずサンプの製作です。外枠は設計図通り1mmの真鍮板を下の写真のようにカットし曲げて、銅リベットで仮止めして、最後にロー付けします。

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その後リン青銅の丸棒から、ゴム管連結用の管を製作し、ロー付けします。本体取り付け穴をあけたものが下の写真です。水(アルコール)漏れがないことを確認して完成です。

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次に給水ポンプの製作です。設計図通りに部品を作ります。ラム(ピストン)のパッキンはグラファイトヤーンが入手できなかったので、Oリングにしました。

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弁室本体に送出ニップル、シリンダ取り付け部を銀ロー付けし、弁室を組み立て、ポンプ台を組立てたものが下の写真です。

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そしてすべてを組み立てたのが下の写真です。

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以上で炭水車の付属品は完成です。次に炭水車の水タンクの上板を固定するための4辺のとめ板を製作します。
記事では1mm厚、6mm幅の板を4辺に半田付けするように書かれていましたが、半田付けのときに動く可能性があるため、今回は最初に4辺をロー付けして、その後本体に半田付けするようにしました。材料は1mm厚、5mm幅の真鍮板で、それぞれ重なる部分を0.5mm厚だけ削ります。(下の写真)

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それらを組み立てて、4隅を銅リベットで仮止めしてロー付けします。

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そして炭水車本体にはめ込み半田付けします。

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アルコールタンクと水タンクの気密の問題ですが、実際に水をタンク内に入れてみますと明らかに水もれ箇所がありましたので、その箇所をチェックしておいて、半田付けですきま埋めの手直しをします。
 すきまが大きいときは半田のみでは埋め切れませんので、真鍮の薄板等を薄くきり、すきまにつめてから半田を流しました。
 また今回分かったコツは、全体を熱して、半田を溶かすと、すきまが埋まるどころか、半田がいくらでも重力に従って流れて行き、知らぬ間に半田の塊が下の方にこびりついているという事態になります。
 すきまを埋めるためにはその部分のみ適度に加熱して、半田が流れたら、速やかに加熱をやめることです。そうするとキレイに埋めることができるようです。
 実際にアルコールタンクにアルコールを入れて液面が維持されるかをチェックした結果、期待した結果が得られました。