ボイラーの製作(2009年11月) 失敗編

第7章の4 管控、タテ控の取り付け そして 作り直しを決意
タテ控はボイラー胴の前後の強度を保つための銅棒によるステーで、管控は通風管とステーを兼ねた銅パイプです。
 銀ロー付けも慣れてきた頃で、最初は楽勝かと思っていましたが、かなりのくせものでした。あえて言うならここが今回の失敗の序章のようなものです。


1.下の写真の上がタテ控で4mm銅棒で一方にボイラーに取付け用のねじがロー付けされています。
下が管控で4mm銅管の両端に取り付け用の中空のねじがロー付けされています。

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2.これをボイラーの火室後板から挿入して、火室後板に直接切っためねじにねじ込みます。そして煙室管板にその先端が見えています。

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3.まず、火室後板側をロー付けします。(ここまではなんとか合格レベル?)
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4.この後上記3写真の左側のタテ控えにはロックナットをはめ、右側の管控には通風器用のロックナット兼接続口の部品をはめ、すきまをはんだで埋めるように書かれていました。
 しかしながら、ロー付けが少し慣れてきたこともあり、ロー付けをしてしまいました。(後で記述しますが、控は熱膨張しやすく、余程上手にロー付けしないと内部で曲がってしまったまま固定されてしまい、ステーの役目をしない恐れがあります。)(失敗9)
漏れ発生 
 酸洗い後、安全弁のブッシからエアーを吹き込むと、細い水しぶきが出てきて、水圧試験をするまでもなく漏れ箇所が分かりました。 特に火室後板と内火室との接合部、ボイラー胴と内火室との接合が漏れていました。
管控溶ける
 さっそく、加熱し銀ローを流しみ、再度、酸洗い、エアー吹き込みをしますと、そこは漏れが修正されていました。しかし、別の箇所がもともと漏れていましたので、、その部分を修正しました。
 同じことを繰り返していたら、また最初の内火室部が漏れてきてしまいました。そのうちにボイラーの中で何かカラカラという音が鳴り出しまして、何かと思えば、過熱により、管控の銅管との接合部が溶けてしまっていました。(失敗10)
管控えが飛び出る
 再度、ロー付け部をやすりで削り、管控の構造を変更してやり直しました。漏れ箇所を何回か修正していると、今度は管控、タテ控の取り付け部が飛び出ていました。恐らく、ロー付けで加熱するときにボイラー胴と控の熱膨張の度合が違い、先に控えが伸びてきたときに、銀ローが固まってしまい、さらに加熱したときに同様のことが起きての繰り返しでそのようになったのではと推測しています。
ボイラー変形
 以上の繰り返しで漏れも修復できずに一息ついたときに、ボイラーの内火室とボイラー胴との接合部あたりが膨らんでいるのが分かりました(下の写真)。おそらくエアーを吹き込んだ(通常このように未完成品にエアーで圧力をかけることは危険ですのでやらないで下さい。)ときにその圧力で構造上弱い箇所が変形したのではと思います。ここが変形すると、その部分の火室後板との接合部にひずみがきて、さらに漏れるということでしょうか。
 これを見てボイラー作り直しを決意しました。

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