クロスヘッドの製作(2009年6月)

第4章の2 クロスヘッドの製作
 先にも説明しましたが、クロスヘッドはピストンの往復運動を主連棒を介して動輪の回転運動に替えるための部品です。下の写真がクロスヘッドです。

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 設計図では2mmx3mmの鉄角材を1mm鉄板ではさみ、銀ロー付けするものでしたが、銀ロー付けはこの段階では初心者でしたので見事に失敗してしまいました。(フラックスの不足と過熱により、鉄板が黒くぼろぼろになってしまいました)
 そのため製作方法をあらため次の方法で作りました。下の写真がクロスヘッドを分解したところです。写真左が本体、右が裏から固定するふたです。

1.鉄の材料から写真左側の部品をフライス盤で削りだします。(左についている丸いものは後からはめたものです。) 全体の外形寸法に仕上げます。幅は12mm、高さは15.5mm、奥行きは4mmです。
2.裏ブタが本体にピッタリ合うように段差をつける。
3.その後滑り棒の入る溝を幅4mmで深さ3mm削ります。
4.クロスヘッドピンが入る穴を3mmであける。(写真左の右下部の穴)
5.主連棒が入るスペース(写真左の右下部)を厚み1mm残してエンドミルで削りとる。
6.右下部の右側を体裁のよいように削りとる。
7.裏ブタ固定用のねじ穴用の下穴位置をセンタドリルで少しあける。
8.バイスをつかみかえて左側のピストンロッド固定用の丸い部品を取り付けるためのねじ穴用の下穴をあける。これでフライス仕事は終了です。
9.ボール盤でタップ下穴をあけます。(裏ブタ取付け用はM1.0、ピストンロッド取付け用はM4P0.5)
10.ねじ切りを行ないます。M4P0.5はボール盤で、M1.0は手作業(さすがに細くて、折れると大変ですから)で行ないました。
10.裏ブタは1mm鉄板からフライスで2枚重ねて削りました。(詳細は省略します)
11.ピストンロッド固定用の丸い部品をベンチレースで鉄棒から削りました。クロスヘッド取付け部はM4P0.5のダイスでおねじを、ピストンロッド取付け部はM3のタップでめねじをねじ切りします。
12.最後にこの部品をクロスヘッドにねじ込んで、はんだで固定します。

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13.表面には飾りの鋲を4本と四角い出っ張りをつけています。(四角い出っ張りは上記説明では省略しましたがフライスで加工しています。