第8章の10
原因が分かりました。
作業場で車輪をコロの上に乗せて動かしたのですが、加減弁を開にするとしばらくは車輪が回転しますが、しばらくすると圧力が低下し、停止してしまいました。
おそらく排気管による通風がうまくいってないような気がしましたので、その辺を再度チェックしていて分かったのが、排気ノズルの内径がこれでよいのかということになりました。
図面をみても内径寸法が入っていない(外径は4mm)ので、本文をよく読むと「先端に1.4mmノズルを銀ロー付け・・・」と書かれていました。再度現物を確認するとノズル内径2.5mmあいていることが判明しました。
分解して作り直すのも大変でしたので、内径1.4mm、外径2.5mmのブッシュを真鍮でつくって既存の排気ノズルに圧入しました。(下の写真)
再度機関車をコロの上に乗せ動かすと、改造前に比べて、排気の音が違いました。これで通風の速度も問題ないであろうと確信したのでした。
しかしながらアルコールバーナーの火は数分で弱くなってきます。何かバーナーにも問題があるのではと思い、アルコールバーナー単体で燃焼試験を行ないました。すると、アルコールタンクには十分燃料があるのに、火の勢いが弱くなってきました。
芯を抜いてアルコールの液面を見るとほとんどアルコールが出ていない状態でした。バーナーの中をのぞいていて分かったのが、アルコールの出口穴を上にしかあけていないのでした。
設計書をみると上下にあけていたので、これで原因がわかりました。
早速ピンバイスにドリルをくわえて上の出口穴からドリルを差し込んでパイプに下側の穴をあけました。(下の写真)
早速、屋上に上がり、試運転の準備に取り掛かりました。そしてアルコールバーナーに点火しいつもどおりの手順で圧力をあげ0.2MPa付近まできたときに、加減弁を開にすると勢いよく走り出しました。
まずは1周回ってくれるか心配でしたが、余裕で走ってくれました。
観客が来てくれたので、何周回ったかカウントしていないのですが、給水なしで、直径6mの線路(1周約18m)を大体20周くらいは回ってくれました。従って360mくらいは走ったでしょうか。
気になるボイラー圧力は0.2MPa程度を維持していましたので、バーナーの燃焼も問題ないようです。
とにかくほっとしたところです。動画は撮れていないのですが、写真は撮りましたので載せておきます。